社会福祉法人 𠮷野福祉会 YOSHINO FUKUSHIKAI

発達支援ひだまり今日のできごと

【ひだまりの日課 第2回】「もう一回!」床の端から端まで、ぞうきんがけ

「もう一回!」

部屋の端にたどり着いた子が、荒い息をつきながら、すぐにスタート地点へ戻っていきます。ほっぺたは真っ赤、額にはうっすらと汗。それでも目はきらきらと輝いています。

ひだまりの日課をご紹介するシリーズ、第2回は「ぞうきんがけ」です。掃除の時間に見えるかもしれませんが、ひだまりでは全身をつかう運動として、毎日の日課に位置づけています。

体幹を使って前に進む

ぞうきんがけの基本姿勢は、両手を床につき、お尻を高く上げる「高這い」です。この姿勢で前に進むには、腕でしっかりと上半身を支え、背筋や腹筋をフルに使わなければなりません。股関節もやわらかく動かす必要があります。

転びにくい、しなやかで力強い体。その土台が、この姿勢のなかでつくられていきます。

足の親指が、土踏まずをつくる

力強く前へ進むとき、子どもは必ず足の親指で床をぐっと蹴っています。裸足で床を蹴るこの動きが、足の指の力を育て、土踏まずの形成につながっていきます。

土踏まずは、二足歩行のための大切なクッションです。ここが育つことで、長く歩いても疲れにくい足、思いきり走れる足になっていきます。

右手と左足、左手と右足

ぞうきんがけは、右手と左足、左手と右足をリズミカルに交差させて進む運動です。この交差運動が、右脳と左脳をつなぐ神経回路を刺激します。さらに、ぞうきんの先を目で追いながら進むことで、手と目の協応も促されます。

手足にしっかり体重をのせ、床の温度や木の感触を直に味わう。その刺激が中枢神経を通って、脳の発達にはたらきかけます。ひだまりが毎朝この時間を欠かさない理由が、ここにあります。

一日のはじまりに、思いきり体を動かす

朝、広々とした床を、仲間と一緒に端から端まで「ダーッ!」と駆け抜ける。このダイナミックな動きが、子どもたちの心を解放します。

自分の手で自分の居場所をきれいにする心地よさを味わいながら、眠っていた体が目を覚ましていく。このあとのリズム遊びや外遊びへ向かう、最高の準備運動です。

ぞうきんを絞るのも、やりとりの時間

汚れたぞうきんを洗うときにも、子どもたちの姿があります。「水が出ないくらい固く絞れた!」と伝える子、「仕上げをして」と大人や友だちに頼む子。ぞうきんを絞る場所は、自然と言葉が行き交う場所になっています。

掃除をさせられている、という感覚はありません

友だちと競い合いながら部屋の端まで一気にたどり着いたときの、「やった!」という誇らしげな顔。何度もスタート地点に戻っていく姿。

そこに、大人にやらされているという感覚は、まったくありません。「思いきり体を動かしたい」という内側から湧いてくる欲求が満たされたとき、子どもはこれほどたくましい表情を見せてくれます。この躍動感こそが、体と脳が育っている何よりの証しだと、私たちは考えています。